鯉の滝登り(読み)コイノタキノボリ

デジタル大辞泉 「鯉の滝登り」の意味・読み・例文・類語

こい‐の‐たきのぼり〔こひ‐〕【×鯉の滝登り】

鯉が滝をのぼること。また、勢いのよいことのたとえ。
黄河上流にある滝、竜門を登ることのできた鯉は竜になるという「後漢書」党錮伝の故事から》立身出世することのたとえ。

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精選版 日本国語大辞典 「鯉の滝登り」の意味・読み・例文・類語

こい【鯉】 の 滝登(たきのぼ)

  1. ( 「後漢書‐党錮伝・李膺」の「以声名自高、士有其容接者、名為登龍門」、およびその注の「三秦記曰、河津一名龍門、水険不通、魚鼈之属、莫上、江海大魚薄集龍門下数千、不上、上則為龍也」による語。黄河の急流にある龍門という滝を登ろうと、多くの魚が試みたが、わずかなものだけが登り、龍に化すことができたという故事から ) 鯉が滝を登ること。
    1. [初出の実例]「山をこしらへまして、夫へ滝を落しまして、鯉の滝上りを致す所を致しませう」(出典:虎寛本狂言・鬮罪人(室町末‐近世初))
  2. 人の栄達、立身出世のたとえ。→登龍門
    1. [初出の実例]「なかとの君を、こいのたきのほりと出ぬれ共」(出典:評判記・吉原人たばね(1680頃)ながと)
  3. 長方形木箱一面に滝の図を描き、中央に一筋の穴をあけ、その穴から練物の鯉が上下するように仕掛けた玩具。

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ことわざを知る辞典 「鯉の滝登り」の解説

鯉の滝登り

鯉が滝を登ること。転じて、人の栄達、立身出世のたとえ。

[解説] 黄河の急流にある竜門という滝を登ろうと、多くの魚が試みたが、わずかな魚だけが登り、竜に化すことができたという言い伝えから、その魚を鯉と想定して言ったもの。

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世界大百科事典(旧版)内の鯉の滝登りの言及

【コイ(鯉)】より

…コイは孵化後,早いもので満2年,ふつうは3年で成熟する。なお,〈コイの滝登り〉といわれるが,実際にはそのようなことは行わない。
[品種]
 黒色以外の色彩のコイをイロゴイ(色鯉),赤色のものをヒゴイ(緋鯉)などと呼び,これらを観賞用に選抜育種したものをとくにニシキゴイ(錦鯉)と称している。…

※「鯉の滝登り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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