鳥養部(読み)とりかいべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥養部」の意味・わかりやすい解説

鳥養部
とりかいべ

鳥甘部、鳥飼部にもつくる。記紀によれば、垂仁(すいにん)朝に鵠(くぐい)の捕獲とあわせて鳥取部(ととりべ)と鳥養部の設置を記しており、鳥取造(みやつこ)の管掌の下に愛玩(あいがん)用の水禽(すいきん)の捕獲にあたる部が鳥取部、その飼養にあたった部が鳥養部とみられる。鳥養部には馬飼部(うまかいべ)や猪養部(いかいべ)と同じく面に黥(めさき)(いれずみ)された者があり、賤民(せんみん)として位置づけられていたようである。鳥養部を供御(くご)の鳥類の貢納者とみる説もあるが、これは誤りであろう。

[加藤謙吉]

『志田諄一著『古代氏族の性格と伝承』(1971・雄山閣出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳥養部」の意味・わかりやすい解説

鳥養部
とりかいべ

大化改新以前,鳥類の飼育に従事した部民 (べみん) 。「鳥飼部」とも書く。「記紀」の垂仁天皇の条などに,鳥養部 (鳥甘部) を定めたことがみえている。令制には,この名はみえない。この部民は,大和の軽,磐余 (いわれ) や摂津筑前筑後などにある鳥養村鳥養郷などに居住したと考えられ,卑賤視されたらしい。

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