朝日日本歴史人物事典 「鳥高斎栄昌」の解説
鳥高斎栄昌
江戸後期の浮世絵師。別号に昌栄堂が知られる。鳥文斎栄之の高弟で,寛政5,6(1793,94)年ごろに画壇にデビューしたものとみられ,錦絵の作がある。全作画期は寛政(1789~1801)中・後期に絞られ,わずか10年にも満たないが,この短期間に,錦絵の美人画や黄表紙挿絵を手懸けている。特に錦絵は師風を踏襲した女性の全身像や群像表現に取り組み,また歌麿作品を髣髴とさせる大首絵なども,かなりの量を制作,発表している。栄之の門下に集った弟子はいずれも作画期が短く,また寡作だが,その筆頭である栄昌は比較的旺盛な作画量をこなしている点で特筆される。
(内藤正人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報