鳩川（読み）はとがわ

日本歴史地名大系

鳩川
はとがわ

• 神奈川県：相模原市
• 鳩川

市北端下九沢の横山（しもくざわのよこやま）段丘下に水源をもち、横山より湧水する清水を合せて南流し、上溝（かみみぞ）・下溝（しもみぞ）・磯部（いそべ）・新戸（しんど）、座間（ざま）市座間・四ッ谷（よつや）、海老名（えびな）市下今泉（しもいまいずみ）を流れ相模川に注ぐ。一級水系、全長一四・二キロ。分流はさらに南流し籏（はた）川用水となり、海老名市門沢橋（かどさわばし）で相模川に合流する。江戸時代は籏川とよばれ、下九沢村・上溝村辺りでは長登路（ながとろ）川、下溝村では谷（や）ッ川と称した。鳩川と称されるのは明治以降のことで、明治初年の市域各村の皇国地誌は「籏川」と書くが、新戸村皇国地誌だけは「鳩川」と記している。「風土記稿」によれば幅約三間で、水源の下九沢村では竹林が繁茂していたという。川の周辺に集落が早くから開け、下九沢・上溝・下溝にかけて先土器・縄文各時代の遺跡・遺物が発見されている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」