鴨長明隠栖地跡
かものちようめいいんせいちあと
法界寺より東へ約七〇〇メートル、炭山道沿いの渓流端に三メートル四方の石があり、俗に方丈石とよばれ、またその北方外山の山腹に「長明方丈石」と記した石碑が立つ。いずれも鎌倉時代の歌人鴨長明が営んだ草庵がこの辺りに所在したという伝承に基づく。「名所都鳥」は「方丈石」を説明して「日野の外山に有。此所鴨長明が方丈の室ありし所なり。其石平にして一丈四方あり。俗に千人の石と名づく。此石のうへに座せば西南の景色よし」と記す。方丈石の名は、長明の「方丈記」がこの庵で著されたことにちなむ。
長明の父祖は代々下鴨神社(現左京区)の氏人で、父は下鴨社の摂社河合社の禰宜であった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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