鷹栖観音堂(読み)たかすかんのんどう

日本歴史地名大系 「鷹栖観音堂」の解説

鷹栖観音堂
たかすかんのんどう

[現在地名]宇佐市山本 高栖

山本やまもと集落南方高栖たかす駅館やつかん川左岸沿いにある。堂宇崖造りで通称百間ひやくけん岩とよぶ絶壁を利用している。同岩と駅館川との間の河岸段丘上には、かつて多くの坊があったと伝える。豊前国三十三観音では第三番、川筋三三ヵ所では第八番の札所(続大宇佐郡史論)。なお当堂は山本地区にあるが、対岸拝田はいた地区が奉仕している。観音堂内にはいずれも一木造、等身大の如来形二体、菩薩形一体の仏像を安置する。一一世紀頃の彫出とされ、虚空蔵こくぞう寺の仏像を彫出した仏師グループと同一グループの作であろうとみられている(宇佐市史)。天保一一年(一八四〇)の鷹栖山観音寺縁起(中津市立図書館蔵)によると、豊後国田野たの(現九重町)の間野長者が彫らせた三体の観音像が宇佐郡江島えしまの今戸万九郎盛時と縁があるため伊呂利いろりの地で礼拝されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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