巡礼者が参詣してまわる霊場(寺院)。参詣した証に札を奉納する習慣から,この名がある。西国三十三観音・坂東三十三観音・秩父三十四観音,四国八十八カ所の弘法大師の霊場などが代表的な札所。巡礼者は自身の氏名・住所・祈願内容などを書いた巡礼札を柱などに打ちつけた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…近畿地方に散在する,観音信仰で有名な33ヵ所の霊場を,順番を追って参詣する巡礼コースで,西国三十三所観音霊場巡(順)礼とよぶ。これらの霊場は,巡礼たちが参詣のしるしに納札(のうさつ)をすることから,札所(ふだしよ)とも称される。観音の霊場として有名な熊野那智の青岸渡寺を第1番とし,奈良,京都の古寺をはじめとする近畿地方一円を巡って,岐阜県谷汲の山中にある33番華厳寺に終わる,長途の巡礼路である。…
…一般にはこれを〈遍路〉〈お四国〉などと呼んで,観音霊場の巡礼と区別している。遍路が霊場に参詣すると,そのしるしに〈南無遍照金剛〉と弘法大師の宝号を記した札を納めることから,八十八ヵ所の寺々を札所(ふだしよ)ともいう。第1番の札所は阿波の霊山寺(現,徳島県鳴門市)で,ここから土佐(高知県),伊予(愛媛県),讃岐(香川県)とまわり,山深い大窪寺で終わる。…
…四国霊場にも小豆島その他の新四国霊場がつくられており,近在だけでなく,独自に全国から信者を集められるほどに盛んになったものも少なくない。 巡礼霊場の巡拝地を一般に札所という。これはそこに参拝したしるしに小さな札(納札)を納めるところからきている。…
…札の中央にその巡礼の名称,両側に出身地,名前,参拝年月日などを書くのがふつうである。納札を納めるところから巡礼の寺を〈札所(ふだしよ)〉と呼び,もとは木製の札を釘で打ちつけたため,札所に詣でることを〈札を打つ〉ともいうようになった。一方,巡礼者が通り過ぎる地域の人々にとっても,この札には大きな意味があった。…
※「札所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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