鷺森丁(読み)さぎのもりちよう

日本歴史地名大系 「鷺森丁」の解説

鷺森丁
さぎのもりちよう

[現在地名]和歌山市鷺ノ森〈かた町・新道しんみち堂前どうまえ丁・なかノ丁・西にしノ丁・二十五本松にじゆうごほんまつひがしノ丁みなみノ丁・明神みようじん丁〉・専光寺門前せんこうじもんぜん丁・曲尺さしがね

内町うちまちの北西部、ほん町三―四丁目の西方を占める。永禄六年(一五六三)二月に和歌浦わかのうら弥勒寺みろくじ山より移転した本願寺御坊(鷺森別院)門前町として形成された。和歌山城の建つ岡山おかやま丘陵(吹上峰)北端紀ノ川の三角洲の砂丘上に立地する。浅野幸長の和歌山入部で慶長六年(一六〇一)城下町の大規模な整備建設が行われたが、中世的門前町のまま城下町に組入れられたためか、周辺の整然とした城下町割のなかにあって、異質の町割を残している。古い史料はみあたらないが、文政一三年(一八三〇)の丁名増改時略図(田中家蔵)には、南北およそ四四間、東西七一間余を占める御堂を中心として、その周辺におよそ東西九〇間、南北一一〇間ほどの方形の町が描かれる。門前町は天正一三年(一五八五)豊臣秀吉の南征にも被害を受けておらず、中心部は町形成時からほぼ幕末期のと同じ方形の内であったかと思われる。

慶長六年一二月、浅野幸長は寺内屋敷の地子六四石を免除した(「清光公済美録」浅野家蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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