鹿を追う猟師は山を見ず(読み)しかをおうりょうしはやまをみず

精選版 日本国語大辞典 「鹿を追う猟師は山を見ず」の意味・読み・例文・類語

しか【鹿】 を 追(お)う=猟師(りょうし)[=者(もの)]は山(やま)を見(み)

  1. ( 「淮南子‐説林訓」の「逐獣者、目不太山、嗜欲在外、則明所蔽也」から ) 一事に熱中すると、他の事をかえりみる余裕がないことのたとえ。
    1. [初出の実例]「鹿ををふ猟師は山を見すといふ事あり」(出典:光悦本謡曲・善知鳥(1465頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「鹿を追う猟師は山を見ず」の解説

鹿を逐う猟師は山を見ず

一つの対象を追求するあまり他をかえりみるゆとりのないことのたとえ。

[使用例] 鹿を逐うの猟師山を見ずとの古諺至言なるかな。知識あるもの、知識に捉われて明魂を覆うこと慨嘆に堪えざる次第である[平沼騏一郎*平沼騏一郎回顧録|1925]

[解説] 「淮南子―説林訓」から出たことば。古くから使われてきた表現ですが、今日では、ヨーロッパ起源で類義の「木を見て森を見ない」が常用されるようになり、あまり使われなくなってきています。

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