鹿島郷(読み)かしまごう

日本歴史地名大系 「鹿島郷」の解説

鹿島郷
かしまごう

鹿島川の下流右岸、近世の佐倉城のあった現佐倉市城内じようない町を中心とする地域に比定される。「成田名所図会」によると、海隣かいりん寺が所蔵していた阿弥陀如来像は永禄八年(一五六五)七月一四日銘を有し、仏師浄慶が印旛いんば郡の「鹿島郷」において彫ったものであった。天正一三年(一五八五)一一月、小田原北条氏が「かしまの城」を取立て、同年一二月一五日には千葉邦胤の娘と母が入城しており(千学集抜粋)、戦国最末期に本佐倉もとさくら(現酒々井町)に代わる拠点として重視されていた。


鹿島郷
かしまごう

和名抄」高山寺本に「広嶋」、東急本に「鹿嶋」、刊本に「鹿島」と記され、ともに訓を欠く。天平宝字五年(七六一)二月二二日の奉写一切経所解案(正倉院文書)に「広嶋郷」とみえる。「新編常陸国誌」は「按ズルニ、今ノ茨城郡古内村ナリ」と記し、「神道集」に鹿島明神が「古内山ノ旧跡鹿島里ニ顕ル」とある地であるという。


鹿島郷
かしまごう

「和名抄」高山寺本・東急本に「鹿嶋」、刊本に「鹿島」と記され、いずれも訓を欠くが、刊本の郡名に「加之末」の訓がある。「新編常陸国誌」には「按ズルニ、鹿島神宮ノアル所、今ニ至テ鹿島ト称ス、又ハ宮中ト云フ」とあり、現鹿島郡鹿島町宮中きゆうちゆうに比定する(鹿島郡鹿島町の→鹿島神宮

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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