鹿杖(読み)カセヅエ

デジタル大辞泉 「鹿杖」の意味・読み・例文・類語

かせ‐づえ〔‐づゑ〕【鹿×杖】

先が二またになったつえ。また、上端をT字形にしたつえ。撞木しゅもくづえ。
「平足駄履き、―を突いて」〈平治・中〉
僧侶などが持つ、頭部に鹿の角をつけたつえ。わさづの

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精選版 日本国語大辞典 「鹿杖」の意味・読み・例文・類語

かせ‐づえ‥づゑ【鹿杖】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木の杖の上端に手をそえる架(かせ)を設けたもの。鐘を打つ撞木(しゅもく)の形状に似るところから撞木杖ともいう。なお、この先に突きやすくするための叉(また)を設けたものを杈椏杖(またぶりづえ)という。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「老僧の、〈略〉かせ杖のふたまたなるにすがっていでき給へり」(出典:平家物語(13C前)三)
  3. 念仏僧の持つ、鹿の角を上端につけた杖。杈椏杖(またぶりづえ)。わさづの。
  4. 舞楽能楽の道具。撞木形の杖。
    1. [初出の実例]「住吉のせんぐうの能などに、悪尉に立烏帽子着、かせづえにすがり」(出典:申楽談儀(1430)序)

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