麓常三郎(読み)フモト ツネサブロウ

20世紀日本人名事典 「麓常三郎」の解説

麓 常三郎
フモト ツネサブロウ

明治〜昭和期の実業家



生年
慶応4年4月13日(1868年)

没年
昭和4(1929)年8月26日

出生地
伊予国越智郡盛村(愛媛県越智郡上浦町)

経歴
郷里・越智郡盛村の収入役を務める一方で、積善会を組織し、青年たちのために夜学を開いた。のち実業界に入り、明治27年盛村に木綿会社を創業、36年には本社を伊予ネル製造の盛んな今治に移した。43年高性能なタオル織機「バッタン」を発明し、次いで富本合名会社を興してタオルの製造を開始。これを機に、今治では伊予ネルからタオル製造に転換する業者が増え、いわゆる「今治タオル」の基礎が確立された。また、耕地整理や旅客事業も手がけるが、晩年は事業に失敗して破産し、国鉄今治駅前で腹力饅頭の店を営んだ。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「麓常三郎」の解説

麓常三郎 ふもと-つねさぶろう

1868-1929 明治-昭和時代前期の実業家。
慶応4年4月13日生まれ。明治27年郷里の愛媛県盛(さかり)村(上浦町)に木綿会社を創業。43年高性能のタオル織機「バッタン」を創案,今治(いまばり)町に富本合名を設立。この麓式織機の登場により,伊予(いよ)ネル製造からタオル製造への転換がすすみ,「今治タオル」の基礎がかたまった。昭和4年8月26日死去。62歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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