麻糸紡績(読み)あさいとぼうせき

百科事典マイペディア 「麻糸紡績」の意味・わかりやすい解説

麻糸紡績【あさいとぼうせき】

日本では古くからタイマ大麻),チョマ(カラムシ)を紡いで麻布を作ったが,明治以後アマ亜麻),コウマジュート)が入る。糸や布をリネンと称するアマは,寒冷地でもよく育つためヨーロッパでは古くから栽培され,フランス・ベルギーアイルランドが名産地として知られる。現在日本ではアマを中心にそれぞれの性状,用途に応じた紡織が行われている。アマは茎を浸漬破砕ののち,鋼針を植えたハックリング機で繊維をくしけずり,長線とする。かき落とされた短繊維を短線という。長線は続線機・延線機による粗紡を経て精紡機にかけられ糸となる。短線は綿や毛と類似の工程で紡績される。ラミー紡績(チョマ)は紡績の前に薬品を用いてペクチン質やゴム質を除去する。→
→関連項目紡績紡績業

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の麻糸紡績の言及

【紡績】より

…(1)繊維の長さによる分類 (a)短繊維紡績(繊維長約50mm以下),(b)長繊維紡績(繊維長約50mm以上)。(2)原料による分類 (a)綿糸紡績および落綿紡績,(b)毛糸紡績(梳毛(そもう)紡績,紡毛紡績),(c)絹糸紡績(長綿紡績,短綿紡績,紬糸(ちゆうし)紡績),(d)麻糸紡績(亜麻紡績,ラミー紡績ほか各種),(e)化学繊維の紡績(綿紡式,毛紡式,トウ紡績,直紡式)。 紡績法における短繊維,長繊維の区別は明確でなく,綿と同様な紡績法をとる場合は短繊維紡績,梳毛と同様な場合は長繊維紡績である。…

※「麻糸紡績」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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