黄梅寺跡(読み)おうばいじあと

日本歴史地名大系 「黄梅寺跡」の解説

黄梅寺跡
おうばいじあと

[現在地名]滑川市上梅沢

南北朝期に開創されたという臨済宗寺院で、山号は伝衣山。上梅沢かみうめざわに所在する浄土宗光明こうみよう寺の近くにある水田の中の小高い丘が跡地と推測されている(滑川市史)。「越中志徴」の引く郷村名義抄に「上梅沢村に往古七堂伽藍之寺有之、寺号黄梅寺、院号梅沢院」と記される。開山は夢窓疎石の高弟方外宏遠、開基檀越は足利尊氏の側近饗庭氏直と推測されるが(「汝霖佐禅師疏」など)、これは鎌倉円覚寺塔頭伝衣山黄梅院の開山・開基と同じである。観応三年(一三五二)足利尊氏の御教書を得て円覚寺黄梅院の造営が着手され、文和二年(一三五三)には清浄覚が船見ふなみ(現入善町)山崎やまざき(現朝日町)を同院に寄進している(至徳元年四月日「黄梅院文書目録」黄梅院文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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