ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黎桓」の意味・わかりやすい解説
黎桓
れいかん
Lê Hoan
[没]1005
ベトナム,前黎朝 (→黎朝 ) の創始者 (在位 980~1005) 。ベトナム音でレ・ホアン。諡は大行皇帝。清化 (タンホア) 省愛州の人。初め丁朝に仕え十道将軍となり,丁部領の没後,太后楊氏と結び,新帝丁せんの摂政となって政治の実権を握った。 980年宋軍の侵入を前にして擁立されて帝位につき,新王朝を創立した。都は丁朝と同じ寧平 (ニンビン) 省の華閭 (ホアル) に定めた。即位後まず宋軍を撃破して大勝利を得た。次いで宋との間に友好関係を深めた。一方,982年には南隣のチャンパに親征し,その都を陥れている。没後,第3子の中宗龍鉞が即位 (05) したが,わずか3日で第5子龍てい (在位 05~09) がこれを殺して即位した。
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