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財産分離 ざいさんぶんり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

財産分離
ざいさんぶんり

相続に際し被相続人債権者 (相続債権者) ,受遺者または相続人の固有の債権者の請求により,相続財産と相続人の固有財産を分離する制度 (民法 941条1項) 。財産分離が行われると,相続債権者,受遺者は相続財産から,また固有債権者は固有財産からそれぞれ優先的に弁済を受けることになる (942条) 。相続財産あるいは固有財産が債務超過の状態にある場合に,相続が開始し,相続財産と固有財産とが一体となることによって相続債権者などと固有債権者の間に不公平が生じることを防ぐためにおかれた制度である。相続人の固有財産が債務超過の場合に,相続債権者などから請求する第1種の財産分離と (941条) ,相続財産が債務超過の場合に,相続人の固有債権者から請求する第2種の財産分離がある (950条1項) 。いずれも,相続開始後一定の期間内に債権者から家庭裁判所に申立てをすることになっており,裁判所が財産分離を認めた場合,それぞれの財産を管理,清算するために必要な手続が民法に定められている (941条以下) 。

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大辞林 第三版の解説

ざいさんぶんり【財産分離】

相続債権者・受遺者・相続人の固有の債権者らの請求により、相続財産と相続人の固有の財産を分離して管理・清算する財産上の処分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

財産分離
ざいさんぶんり

相続財産と相続人の固有財産が混同しないように両者を分離して管理・清算する手続き。相続によって相続財産(債務も含めて)と相続人の固有財産(債務を含めて)とが混同すると、(1)相続人が債務超過の場合には被相続人の債権者と受遺者(遺言で遺贈を受ける者)が、(2)相続財産が債務超過の場合には相続人の債権者が、それぞれ十分な弁済を受けられなくなるおそれが生ずる。そのような不利益から免れさせるために、それらの者は、相続財産と相続人の固有財産とを分離して、(1)の場合には被相続人の債権者と受遺者が相続財産から、(2)の場合には相続人の債権者が相続人の固有財産から、それぞれ優先的に弁済を受けることが認められている(民法941条~950条)。この利益を受けようとするときは、相続開始のときから3か月以内に、その旨を家庭裁判所に申し立てなければならない(民法941条)。[高橋康之・野澤正充]

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