精選版 日本国語大辞典「黒星」の解説
くろ‐ぼし【黒星】
〘名〙
① 黒くて丸いしるし。
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「くだんの片(へぎ)を張立、黒星(クロボシ)を書付て、鉄炮的(てっぽうまと)の角(かく)に仕立て見せけるに」
② 的(まと)のまん中にある黒点。
※雑俳・柳多留‐一五三(1838‐40)「黒星に当る程いい的稽古」
③ (②から転じて) ねらった所。急所。図星。また、的中すること。
※浮世草子・好色万金丹(1694)一「推量は黒星(クロボシ)に当てながら、親方の手前(まへ)気の毒さに」
④ 目の中のひとみ。
⑤ 相撲の負けのしるし。星取表に書き入れる黒く塗りつぶした丸。転じて、負けること。また、重大な誤りを犯すこと、失敗することの意に用いる。⇔白星。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸、梅の爛熟時代「駒は黒星(クロボシ)を五つも取って不振に終った」
※吉凶うらなひ(1951)〈井伏鱒二〉「易占家たるものが、人を見るのに履歴書を要求するとは何ごとだね。これは君の黒星だ」
⑥ =くろにく(黒肉)②
※談義本・身体山吹色(1799)三「『本詰(ほんつめ)さんおよび違ひなしの●(クロボシ)で御ざります』『何其本詰は●(クロボシ)か、そして美しいか』」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報