黒月(読み)コクゲツ

デジタル大辞泉 「黒月」の意味・読み・例文・類語

こく‐げつ【黒月】

古代インド暦法で、満月後の16日から月末までの称。こくがつ。⇔白月びゃくげつ
白月―のかはり行くを見て」〈平家・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「黒月」の意味・読み・例文・類語

こく‐げつ【黒月】

〘名〙 満月の翌日から、月の欠ける一五日間のこと。古代インドの暦法で、一六日以後の月をいう。⇔白月(びゃくげつ)
本朝文粋(1060頃)一〇・紅桜花下作詩序〈大江朝綱〉「青春之半、黒月之終」
※平家(13C前)三「白月黒月のかはり行くを見て、三十日をわきまへ」 〔四分律三五

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒月」の意味・わかりやすい解説

黒月
こくげつ

月の後半の16日以後をいい、インドの暦法に基づく称。15日の満月の日から月が欠け始め、しだいに暗くなるところから名づけられた。これに対して、月の前半は、朔日(ついたち)から15日まで月が満ち始めて白さが増すところから、「白月(びゃくげつ)」という。したがって、月を前後に白月と黒月とに二分し、前半を白月何日、後半を黒月何日という。なお、大みそかの月だけをさすこともあり、また単に薄暗い月をいう場合もある。

[藁科勝之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android