黒海艦隊(読み)こっかいかんたい

共同通信ニュース用語解説 「黒海艦隊」の解説

黒海艦隊

かつてはロシア帝国海軍、ソ連海軍に所属した主力艦隊基地ウクライナ南部クリミア半島セバストポリにある。ソ連崩壊に伴ってウクライナ領になり、ロシアとの協議の末、艦隊を分割、基地をロシアに20年間貸与する協定が1997年に結ばれた。2010年、親ロシアだったウクライナのヤヌコビッチ政権は貸与期間をさらに25年間延長する合意文書にロシア側と署名。14年2月にヤヌコビッチ政権が反政府デモで崩壊すると、危機感を抱いたロシアはクリミア半島に軍部隊を投入、同3月に併合を強行した。22年のロシアによるウクライナ侵攻後、旗艦モスクワが攻撃され沈没した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒海艦隊」の意味・わかりやすい解説

黒海艦隊
こっかいかんたい

ソ連海軍の艦隊の一つ。司令部セバストーポリ。クリミアがロシアへ併合されたのち 1783年に創設された。 1905年にはポチョムキン号の反乱が起っている。独ソ戦中にはドイツに一時占領された。基地はオデッサ,セバストーポリ,ノボロシースク,ポチなど。 90年の主要兵力は潜水艦 20隻,主要水上戦闘艦 54隻,作戦機 119機,爆撃機 94機などである。ウクライナは独立後,92年1月独自軍を発足させ,黒海艦隊の所有を主張したことから,その帰属をめぐってロシアとの間で対立が発生したが,共同管理をすることで一応の決着がついた。

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