六訂版 家庭医学大全科 「黒色真菌症」の解説
黒色真菌症
こくしょくしんきんしょう
Chromomycosis
(皮膚の病気)
どんな病気か
フォンセカイア・ペドロゾイ、エクソフィアラ・ジャンセルマイなど肉眼的に黒色に見える病原性黒色真菌による皮膚の感染症で、結節を示すクロモミコーシスと皮下
原因は何か
原因菌の黒色真菌は、自然(屋外)環境中に存在します。クロモミコーシスは免疫能低下などのない健康な人にも多く、外傷の既往がはっきりしないことも少なくありません。しかしフェオヒフォミコーシスは免疫能が低下している
症状の現れ方
クロモミコーシスは慢性の結節(しこり)を示します。皮面より盛り上がり、皮膚が硬くなる
検査と診断
真菌検査や病理検査で診断します。真菌検査には直接鏡検と培養検査があります。直接鏡検は、
病理検査は、一部の組織を培養検査に回すこともでき、最も確実な診断方法です。
治療の方法
手術療法、抗真菌薬の全身療法、温熱療法、凍結療法などを行います。全身療法ではイトラコナゾール(イトリゾール)、テルビナフィン(ラミシール)、アムフォテリシンB(ファンギソン)、フルシトシン(アンコチル)などが用いられます。皮膚真菌症のなかで最も難治性で、複数の治療を組み合わせて行うことも多いです。
病気に気づいたらどうする
ごくまれに内臓に転移する菌もあります。皮膚科専門施設で適切な検査と治療を受ける必要があります。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報