精選版 日本国語大辞典 「龍頭鷁首」の意味・読み・例文・類語
りょうとう‐げきしゅ【龍頭鷁首】
- 龍頭鷁首〈年中行事絵巻〉
- 〘 名詞 〙 ( 「りょうどうげきしゅ」とも。「鷁」はよく飛んで風に堪えるという水鳥 ) 平安時代、園遊などの折、貴人の御座船とし、または伶人などを乗せて楽を奏させる船。二隻を一対とし、一隻の船首に龍の形、他の一隻に鷁の形の彫物をつけたり、その形を描いたりしたもの。特に平安時代から室町時代にかけて、皇室・貴族・社寺の行事などの際、泉池や河川で船楽(ふながく)を奏するために重用され、ふつう船差四人、楽人または舞人一〇人内外を乗せ、時には貴族の船遊びにも用いられた。りょうとうげきす。りょうとうげいす。りゅうとうげきしゅ。りゅうずやくす。
- [初出の実例]「れう頭げきしゅの生けるかたち思ひやられて、あざやかにうるはし」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日)
りゅうとう‐げきしゅ【龍頭鷁首】
- 〘 名詞 〙 ( 「りゅうどうげきしゅ」とも ) =りょうとうげきしゅ(龍頭鷁首)
- [初出の実例]「古大井河の逍遙には、龍頭鷁首(リウドウゲキシュ)の御舟を浮べて」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)