久親恩寺(読み)くしおんじ

日本歴史地名大系 「久親恩寺」の解説

久親恩寺
くしおんじ

[現在地名]枚方市楠葉中之芝一丁目

曹洞宗、山号大孝山、本尊薬師如来。開創の年月は不詳だが、寺伝ではもと西寺にしでらと称し、行基作と伝え親乞い薬師の名で知られる現本尊は薬師堂に安置されていたという。寺蔵の「楠葉道心因話録」によると、楠木正儀の家臣篠前六郎左衛門(楠葉道心)の娘篠崎禅尼が、当寺薬師如来に母の病気平癒を祈願、その孝心により現在の山号・寺号が生れたという。禅尼が楠葉くすは七郷を托鉢して薬師如来に祈ったことから、後世にも親の忌を勤める人はその七七忌に七郷を托鉢し、得た米銭を薬師に捧げて拝礼したという(旧版「枚方市史」)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報