北川井路(読み)きたがわいじ

日本歴史地名大系 「北川井路」の解説

北川井路
きたがわいじ

安威あい川と旧茨木川下流の間にあり、安威川に流入する排水路。北川ともよばれた。安威川下流と旧茨木川下流の村々は、河川の洪水氾濫と悪水滞留による被害に悩まされた長い歴史をもつ。とくに安威川右岸の野々宮ののみやしま両村は標高三―四メートルと最も土地が低く、天正一六年(一五八八)さんまき井路が安威川左岸に開削された際、左岸にある自村領に暗渠を通して悪水を放流していた(「神安水利史」史料編上)。また寛永年間(一六二四―四四)には両村が共同で四周に囲堤を造って水害に備えた。この堤防の北部分は横手よこて堤とよばれ、堤防に沿って南西流してから南下する水路が北川井路である。井路の成立時期は不明であるが、囲堤とほぼ同じ頃と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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