新江用水(読み)しんえようすい

日本歴史地名大系 「新江用水」の解説

新江用水
しんえようすい

丸岡城下の東南方二屋ふたつや村で十郷じゆうごう用水から分水する用水で、東方の山裾を北に二里余流れて山窪やまくぼ村に至り、五領堰ごりようせき用水に合流する。初代丸岡藩主本多成重時代の寛永五年(一六二八)加賀藩浪士渡辺泉立によって苦難の末完成されたと伝え、これによって谷川だけに依存してきた山裾の村々の開田に役立った。工事に関する史料は現存しないが、夜中松明によって川の勾配を測るなど、四年間辛労を重ね、工事を遂行したとの伝えを残す。渡辺泉立はその功によって名を泉竜と改め、丸岡藩士に取り立てられ、死後は本多家祈願所の女形谷おながたに直乗じきじよう(現真言宗御室派)に葬られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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