野尻用水(読み)のじりようすい

日本歴史地名大系 「野尻用水」の解説

野尻用水
のじりようすい

勝浦川上流域に近世に開かれた灌漑用水。現旭六地蔵あさひろくじぞう旭川および北谷きただに川より取水し、野尻地区を灌漑するもので、元文五年(一七四〇)に完成。用水路は山腹斜面約一二キロにわたっており、約二〇ヵ所の谷に掛樋が設けられている。野尻村では、同用水の完成により農業用水の安定供給が可能となるとともに、新開地が開発され、元禄一四年(一七〇一)より享保一九年(一七三四)までの新開地の合計面積は田九畝余・畠三反一畝余(うち一反八畝余は田成)、山畠(焼畑)三反三畝歩であったが、文政七年(一八二四)から天保元年(一八三〇)までの六年間には田一町八畝余・畠九反五畝余、山畠一反九畝余が新たに開発されている(「新開検地帳」上勝町役場蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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