2色覚(読み)にしきかく(英語表記)dichromatism

翻訳|dichromatism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「2色覚」の意味・わかりやすい解説

2色覚
にしきかく
dichromatism

網膜視細胞を構成する L錐体M錐体S錐体の 3種類の錐体細胞(→錐状体)のうち,1種類を先天的に欠損していることで生じる色覚異常。旧称は色盲。L錐体の欠損を 1型2色覚,M錐体の欠損を 2型2色覚という。L錐体,M錐体は X染色体(→性染色体)が関与しているが(X染色体連鎖性劣性遺伝形式),S錐体は常染色体(7番)の支配であるため,先天性の 3型2色覚は世界的にもまれである。先天色覚異常に占める 1型2色覚および 2型2色覚の割合は約 1割ずつで,2型の方が数%高い。2色覚者は正常色覚者が青緑と認識する波長 495nm(1型),500nm(2型)の色光を白と認識し,ともにアノマロスコープでの検査で赤および緑の混色割合によらず黄と同じ色として認識する。また,同じ光エネルギーを有する色同士での明るさの認識度(比視感度)を表す比視感度曲線が,2型は正常色覚者と同じパターンを示すのに対して 1型ではわずかに短波長側に移動し,かつ長波長(赤)で暗く認識するため赤と黒との弁別が悪い。しかし,1型,2型ともに視力などほかの視機能は正常色覚と同じである。検査にはアノマロスコープが使用される。

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