錐状体(読み)すいじょうたい

精選版 日本国語大辞典 「錐状体」の意味・読み・例文・類語

すいじょう‐たい スイジャウ‥【錐状体】

〘名〙 脊椎動物網膜上にある視細胞一種で、外節と呼ばれる端部が円錐状をしている円錐細胞の円錐状の部分をさす。視物質をふくみ、明るい場所での視覚色覚をつかさどる。昼行性動物によく発達している。円錐細胞同義に用いることもある。錐体円錐体

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デジタル大辞泉 「錐状体」の意味・読み・例文・類語

すいじょう‐たい〔スイジヤウ‐〕【×錐状体】

網膜視細胞の一。円錐状の突起をもつ細胞。昼行性の動物に特に多く色彩を感じる物質を含む。円錐細胞。円錐体。錐体。錐細胞。錐状細胞。錐体細胞。→桿状体かんじょうたい
[補説]ヒトの網膜には分光感度が異なる3種類の錐体細胞が分布している。L錐体長波長感受性錐体)は主に赤~黄緑M錐体(中波長感受性錐体)は黄~緑、S錐体短波長感受性錐体)は青~紫の波長域の光を吸収し、生体信号に変換する。この信号視神経を経て大脳視覚中枢に伝達され、色として認識される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「錐状体」の意味・わかりやすい解説

錐状体
すいじょうたい
retinal cones

錐体ともいう。形態覚と色覚に関係する視細胞。細胞体は細いほうが外側,太いほうが内側に向う短い円錐形で,外節と内節に分れる。この細胞は黄斑に最も多く,そこから離れるに従って減少する。

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世界大百科事典(旧版)内の錐状体の言及

【目∥眼】より

…(4)網膜 網膜は眼球壁の最も内側の膜で,眼底から,毛様体,虹彩の裏面の部分までを覆う。錐状体および杆(かん)状体という2種類の視細胞があり,光,色,形を感ずる(図5)。(5)視神経 視細胞からの視覚情報を脳へ伝える神経。…

※「錐状体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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