色盲(読み)シキモウ

デジタル大辞泉 「色盲」の意味・読み・例文・類語

しき‐もう〔‐マウ〕【色盲】

特定またはすべての色を識別することが困難な状態。現在は、色覚異常2色覚などの呼称を用いる。
[補説]程度により全色盲・色盲・色弱などの呼称が用いられた。学術的には、色覚に関与する3種類の網膜錐体細胞のすべて、または2つが機能しない状態を1色覚(いわゆる全色盲)、1つが機能しない状態を2色覚(いわゆる色盲)、1つの分光感度特性が通常と異なる状態を異常3色覚(いわゆる色弱)という。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「色盲」の意味・読み・例文・類語

しき‐もう‥マウ【色盲】

  1. 〘 名詞 〙 先天性の色覚異常の旧称
    1. [初出の実例]「今の若い者に夫妻の撰択さすのは、色盲に幽禅の買物頼むより猶ひどい」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「色盲」の意味・わかりやすい解説

色盲
しきもう

色覚が通常の場合と違い、すべての色、あるいはある色の識別ができないか、困難な色覚異常のことを示した旧称。現在は、色覚異常それぞれの場合に合わせて一色覚二色覚などの名称で分類されている。色盲ということばはかつては色覚異常全般をさす一般的な呼び名として用いられたが、学術的には色盲と色弱は明確に分類されている。

[太田安雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の色盲の言及

【色覚異常】より

…色の区別ができないか,困難な状態をいう。一般には色盲color blindnessあるいは色弱color weaknessとして知られるが,最近は色覚異常としてまとめることが多い。先天性と後天性のものがあるが,大部分は先天性のもので,これは色覚の機能不全による。…

【伴性遺伝】より

…これを伴性遺伝とよぶ。ヒトの色盲や血友病は伴性遺伝の典型的な例であるが,劣性遺伝子によって支配される色盲を例にしての遺伝様式を示すと次のようになる。図1で明らかなように,色盲の母と正常の父の組合せから生まれた息子はみな色盲になるが,娘は色盲の遺伝子をヘテロ(異型)にもっているので,見かけは正常である。…

※「色盲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android