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2010年問題 にせんじゅうねんもんだい

知恵蔵の解説

2010年問題

2010年をめどに米国政府などが使う暗号が次世代規格に移行されるという問題。コンピューターの性能の向上などが背景にある。米国で技術標準を管轄する国立標準技術研究所(NIST)は、この移行を05年に告知している。日本政府でも、同様に強固な暗号への移行を進める取り組みが行われ、08年4月にその指針が決定され、13年度までに完了させることを目指している。
暗号の次世代規格への移行の背景には、暗号の安全性の低下がある。暗号はコンピューターの性能向上に伴い解読されるまでの時間が短くなっており、また暗号の弱点も日々発見されている。現在ネットで主として使われている暗号は「公開鍵暗号」や「ハッシュ関数」と呼ばれるもの。暗号の多くは「80ビット強度」のものであり、2010年以降は米政府では使えない。
携帯電話では公開鍵暗号は大半は対応済みであり、ハッシュ関数も対応を始めているが、同様の暗号を使う電子商取引、ICキャッシュカードやクレジットカード、銀行ATMの対応は、まだ検討され始めたという段階にある。新しい暗号システムへの移行にはコストが課題となっているが、メリットが見えにくいため対応が遅れることも懸念されている。
なお、「2010年問題」と呼ばれる問題には国内製薬大手の主力薬の特許が切れて後発品にシェアを奪われるという問題もある。

(小林拓矢  フリーライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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