三泣き車(読み)サンナキグルマ

デジタル大辞泉 「三泣き車」の意味・読み・例文・類語

さんなき‐ぐるま【三泣き車】

荷車の一。車輪二輪で小さく、梶棒が長く、車台後方に鉄の荷受け柵を設けたもの。商家丁稚でっちなどが荷物運搬に用いた。丁稚は苦労するので泣き、仲仕は職を奪われて泣き、車はきしんで泣くような音を立てるというところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「三泣き車」の意味・読み・例文・類語

さんなき‐ぐるま【三泣車】

  1. 〘 名詞 〙 ( 丁稚(でっち)は車をひかされて泣き、仲仕(なかし)は職を奪われて泣き、車は回転するときにきしって泣くというところからいう ) 荷車の一種で、車輪が小さく、梶(かじ)棒が長く、車台の後方に鉄のわくをつけたもの。商家の丁稚などが荷物を運ぶのに用いる。
    1. 三泣車〈東京風俗志〉
      三泣車〈東京風俗志〉
    2. [初出の実例]「我れも泣き妻も泣き草葉の蔭に親々も泣く三泣車(サンナキグルマ)の栓がぬけては何う進退のなるものでなく」(出典:売花翁(1893)〈斎藤緑雨〉)

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