D-リボース(読み)リボース

化学辞典 第2版 「D-リボース」の解説

D-リボース
リボース
D-ribose

C5H10O5(150.13).アルドペントースの一種.リボ核酸リボヌクレオチド,種々の補酵素などの構成成分として広く生物界に分布している.ビタミン B2 の合成原料として発酵法によるほか,D-グルコースやスクロースからD-アラボン酸D-リボン酸を経て大量に合成される.天然物中ではD-リボースは,一般にβ-フラノース形で存在するが,遊離状ではβ-ピラノースとして結晶化する.融点87 ℃.-23.1→-23.7°(水).溶液中ではフラノースも現れるので,複雑な変旋光を示す.水中での組成は,α-ピラノース21.5%,β-ピラノース58.5%,α-フラノース6.5%,β-フラノース13.5%,直鎖アルデヒド0.05% となる.pKa 12.22.還元糖としての一般的性質を示す.D-リボースの5-リン酸エステルは,光合成ペントースリン酸サイクルなどの中間体である.L-リボースは非天然産であり,合成品が知られている.融点87 ℃.+18.8°(水).[CAS 24259-59-4:L-リボース]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のD-リボースの言及

【単糖】より

…天然に存在する単糖としては,六炭糖のほかに五炭糖も重要である。五炭糖には,核酸の構成成分であるD‐リボースやD‐2‐デオキシリボースが含まれる。以上述べた単糖は官能基としてはアルデヒド基もしくはケトン基のみをもつが,このほかにカルボキシル基をももつ単糖があり,これはウロン酸と呼ばれる。…

※「D-リボース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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