スクロース

デジタル大辞泉 「スクロース」の意味・読み・例文・類語

スクロース(sucrose)

蔗糖しょとう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「スクロース」の解説

スクロース
スクロース
sucrose

β-D-fructofuranosyl α-D-glucopyranoside.C12H22O11(342.30).ショ糖サッカロースともいう.砂糖として,食用そのほかに多量に用いられている非還元性二糖.植物の液汁,種子,葉,茎,果実,花などに広く存在する.なかでもサトウキビSaccharum officinarum L.(イネ科),サトウダイコンBeta vulgaris L.(アカザ科)の汁液には10~20% 含まれている.これらの汁液を石灰乳でpH 7.0~7.5として加熱後,濾過してタンパク質を除き,濾液を濃縮して過飽和にすると粗糖の結晶が析出する.濃縮,結晶を繰り返した残りのシロップを糖みつという.粗糖は活性炭けいそう土などを用いて脱色し,さらに二酸化炭素を通して不純物を除去して濾液を濃縮し,精製糖を得る.白色,甘味をもつ融点170~186 ℃(再結晶溶媒による)の結晶.+66.5°(水).1.587.約200 ℃ で褐色カラメルになる.水100 g に対する溶解度は198.6 g(12.5 ℃),245 g(45 ℃).メタノールに可溶.酵母により発酵する.希薄な酸や酵素インベルターゼにより加水分解してグルコースフルクトースの混合物になるが,その際に旋光度が右旋性から左旋性に転じるので,この反応を転化,生成した混合糖を転化糖という.植物中ではUDPグルコースとフルクトースから合成されるとみられるが,グルコース1-リン酸とフルクトースから合成するショ糖ホスホリラーゼも知られている.もっとも重要な甘味剤で,栄養料,調味料,嗜好品,保存料などとして用いられる.糖みつはアルコール,そのほかの発酵原料に利用される.各種の生化学実験,内服薬用の味つけ,糖衣,賦形,および希釈剤,注射用,分析用試薬などとしても用いる.LD50 29700 mg/kg(ラット経口).[CAS 57-50-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スクロース」の意味・わかりやすい解説

スクロース
すくろーす

サッカロース

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「スクロース」の解説

スクロース

 →ショ糖

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスクロースの言及

【ショ糖(蔗糖)】より

…サッカロースsaccharose,スクロースsucroseともいう。サトウキビ,サトウダイコン(テンサイ)などの多くの植物によって合成されるグルコースとフラクトースが1分子ずつ結合した二糖類。…

※「スクロース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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