化学辞典 第2版 「DNAリガーゼ」の解説
DNAリガーゼ
ディーエヌエーリガーゼ
DNA ligase
EC 6.5.1.1,EC 6.5.1.2.DNA-連結酵素(DNA joining enzyme)ともいう.2本鎖DNAの片方の鎖の切断部(隣接する3′-ヒドロキシ基と5′-リン酸基)をホスホジエステル結合させる酵素.酵素反応で Mg2+ を要求し,さらにファージのリガーゼはATPを,またバクテリアのリガーゼはNADを必要とする.ATP,NADはアデニル酸,酵素複合体の形成に必要であり,この複合体の合成が第一段階の反応で,第二段階でこの複合体とDNAが反応し,DNAにホスホジエステル結合をつくり,AMPを放出する.
酵素 + NAD(ATP) 酵素・AMP +
nicotinamide mononucleotide
酵素・AMP + DNA(1本鎖切断) →
DNA(連結) + 酵素 + AMP
この酵素は動物細胞からも見いだされ,生体内では,DNAの複製,DNAの修復に関与している.[CAS 9015-85-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報