X線分光分析(読み)エックスセンブンコウブンセキ

化学辞典 第2版 「X線分光分析」の解説

X線分光分析
エックスセンブンコウブンセキ
X-ray spectroscopic analysis

物質に高速電子を照射して発生するX線や,対陰極より発生した一次X線を物質に照射して,これより生じる二次特性X線を種々の結晶格子を用いて分光し,得られたX線スペクトルより物質構成元素を分析する方法.この分析は次の三つに分類される.
(1)X線発光分光分析
(2)蛍光X線分析,
(3)X線マイクロアナライザー
(1)は試料に加速電子またはX線を照射し,発生するX線を分光器により,波長分離してその波長から元素を分析する.(2)は一次X線を試料に照射し,二次的に発生した蛍光X線を回折結晶により分光し,得られた特性X線の波長より元素を分析する.(3)は原理的には(2)に類似するが,マイクロアナライザーでは1 μm 以下に絞られた電子線で試料を照射し,発生する特性X線をX線スペクトロメーターによって分光し,その波長から元素を分析する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「X線分光分析」の意味・わかりやすい解説

X線分光分析【エックスせんぶんこうぶんせき】

分光分析のうちX線領域のものをいう。直接電子流を照射して生ずる特性X線から原子番号を決定する元素分析定性分析に便利)と,強力な連続X線を試料物質にあて,生ずる蛍光X線(二次X線)を調べる蛍光X線分析(定量分析に便利)とがある。また連続X線を当ててX線吸収スペクトルから分析する吸収法もある。試料を破壊しないで分析を行うことができるのが特徴。→X線スペクトル
→関連項目X線シーグバーン

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改訂新版 世界大百科事典 「X線分光分析」の意味・わかりやすい解説

X線分光分析 (エックスせんぶんこうぶんせき)

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世界大百科事典(旧版)内のX線分光分析の言及

【分光分析】より

…また発光分光分析は吸収分光分析に比べて検出感度が高く,物質中の微量成分の分析に適している。
[X線分光分析X‐ray spectroscopic analysis]
 X線を用いた分光分析は,主として金属などの原子番号の大きな元素の分析に応用される。X線発光法では,加速した電子線の照射によって試料物質中の原子を励起し,それが放出する固有X線のスペクトルにより分析を行う。…

※「X線分光分析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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