エックスせんマイクロアナライザー
X線マイクロアナライザー
X-ray microanalyser
略称はXMA。真空中で試料に加速した電子線を照射して微小部分の化学組成分析をする装置。エレクトロンプローブ・マイクロアナライザー(electron probe microanalyser, EPMAと略称)とも。電子線を照射すると,試料に含まれる各元素に特有な波長の特性X線が発生する。その波長と強度を測定し,元素の種類,含有量を求める。電子線ビームを絞り微小部分の分析ができるが,試料内部での電子の散乱により,X線の発生領域は一般に1~2µmが限界。電子線ビームや試料ステージをある区画内で走査させて,発生する特性X線像をモニター上に描かせれば特定の元素の二次元分布を得ることもできる。X線の強度測定には,分光結晶の回折により特定波長を取り出す波長分散法(WDX)と,半導体検出器により広いエネルギー範囲の特性X線のスペクトルを同時に測定するエネルギー分散法(EDXまたはEDS)がある。後者は迅速で,多元素同時測定が可能,操作も容易であるが,分析精度や検出限界は前者が優れている。定量分析には,化学組成が既知の標準物質を用いて試料とのX線強度を比較する。後方散乱因子,阻止能,試料内部でのX線の吸収および蛍光励起効果の影響について補正する必要がある(ZAF補正法やBence-Albee法)。1960年代から本格的に地球科学の分野に導入され,岩石・鉱物,堆積物や古生物試料の微細な鉱物粒子,累帯構造をもつ鉱物や微細な組織をもつ物質の観察・分析に用いられる。
執筆者:山口 佳昭・加藤 丈典
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
Sponserd by 
X線マイクロアナライザー
エックスセンマイクロアナライザー
X-ray microanalyser
蛍光X線を用いる分析法の一つ.電子線マイクロアナライザー(electron-probe microanalyser,EPMA)ともいう.直径 μm 以下の細い電子ビームで試料を走査して,各微小点から出る特性X線を分光して元素分析を行う.非破壊分析ができるので応用範囲が広く,金属や半導体などの単結晶中の欠陥や,不純物の分布状態,また生体試料中の重金属などの分布状態などが分析できる.検出できる濃度は30 ppm が限度であり,検出できる量は濃度により異なるが,たとえば 10-14 g μm-3 が限度である.定性分析はNa以上の元素について可能であるが,定量分析の精度はやや低い.電子線発生部と集束レンズ系などは電子顕微鏡のそれとよく似ており,分析か所の観察には光学顕微鏡も用いられる.発生した蛍光X線の分光には湾曲結晶モノクロメーターが用いられ,複数個の分光器を備えて多くの元素を同時に検出できるようにしたものもある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
Sponserd by 
X線マイクロアナライザー
えっくすせんまいくろあならいざー
試料上に直径を1マイクロメートル(100万分の1メートル)程度に細く絞った電子線を照射し、被照射部分から発生する固有X線を利用して、その部分の定性、定量分析を行う装置。この方法は1949年に発表され、X線マイクロアナライザーとよばれていたが、現在は電子線マイクロアナライザーとよばれている。
[高田健夫・編集部]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
Sponserd by 
世界大百科事典(旧版)内のX線マイクロアナライザーの言及
【分光分析】より
…固有X線の波長と原子番号の間には,〈[モーズリーの法則]〉として知られる関係が成立するから,測定された波長から試料物質中の原子の原子番号を知ることができる。収束した電子線を用いたX線発光分析装置はX線マイクロアナライザーX‐ray microanalyserと呼ばれ,物質の局所的な元素組成の分析に有用である。蛍光X線法X‐ray fluorescence analysisは,X線の照射によって試料中の原子を励起する以外はX線発光法と同一の分析法で,やはり金属元素などの分析に適している。…
※「X線マイクロアナライザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
Sponserd by 