化学分析のうち試料中に含まれる各種の成分の種類を知るための分析法の総称。未知物質を分析する際に最初に行うべき操作で、その操作を検出、確認、定性あるいは同定などとよぶ。定性の方法としては、物質中に含まれる特定化学種(原子、原子団、分子、イオン、基、同位体その他)に固有の特性やその変化を利用して行う。もっとも素朴な方法は、視覚、臭覚など人間の感覚を利用したものである。さらにこれに基づいて加熱、溶解などの手段を加えて試料中の成分の変化を観察する。加熱変化を観察する方法で、無機化合物を対象としたものは乾式法とよばれ、主として水溶液の化学変化を利用する方法は湿式法とよばれている。定性分析ののちに行われるのが定量分析である。機器分析では定性と定量を兼ねて行う場合が多い。
[高田健夫]
『佐竹正忠・御堂義之・永広徹著『分析化学の基礎』(1994・共立出版)』▽『京都大学総合人間学部自然環境学科物質環境論講座編『無機定性分析実験』(1994・共立出版)』▽『今泉洋・上田一正他著『基礎分析化学』(1998・化学同人)』
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ある物質がどのような化学種から成り立っているかを決める分析法の総称.定量分析と対比して用いられる.天然物の場合には,すべての元素を含む可能性が大きいので,非常に大まかな量的関係も定性分析で取り扱う.各元素,イオン,基,原子団,分子などに特異的に認められる化学反応,あるいは物理的性質が検出に利用される.化学反応を利用するものは湿式分析が多いが,炎色反応,ほう砂球反応,吹管分析なども簡単な定性分析として利用される.湿式法のうちには,有機,無機物質の系統的定性分析法が多数提案されている.物理的方法は多数あるが,そのなかで電磁波スペクトルによる方法が一般に利用される.
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…化学分析とは,〈何が〉〈どれだけ〉〈どのような状態で〉含まれているかを明らかにすることである。もともと,〈何が含まれているか〉を明らかにするのは定性分析qualitative analysisであり,〈どれだけ含まれているか〉を明らかにするのは定量分析quantitative analysisである。〈どのような状態で含まれているか〉を明らかにするのは状態分析state analysisとよばれている。…
※「定性分析」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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