ALS(読み)エーエルエス(その他表記)Amyotrophic Lateral Sclerosis

デジタル大辞泉 「ALS」の意味・読み・例文・類語

エー‐エル‐エス【ALS】[amyotrophic lateral sclerosis]

amyotrophic lateral sclerosis》⇒筋萎縮性側索硬化症

エー‐エル‐エス【ALS】[automatic landing system]

automatic landing system》自動着陸装置

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共同通信ニュース用語解説 「ALS」の解説

ALS

萎縮性側索硬化症(ALS) 筋肉を動かす神経が徐々に侵され、全身の筋肉が動かなくなり歩行や呼吸、食事が困難になる厚生労働省指定の難病。通常、体の感覚や知能、内臓機能などは保たれる。人工呼吸器による生命の維持が必要になることが多い。詳しい原因は分かっておらず、有効な治療法は確立されていない。

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知恵蔵 「ALS」の解説

ALS

身体を動かす神経が変性し、全身の筋肉の動きに障害が及ぶ進行性の神経疾患。年間に新たにこの病気にかかる人は人口10万人当たり1~2.5人。国が指定し治療費の公費補助のある特定疾患の一つであり、受給者は全国に約9000人いる。発症年齢の平均は60歳ぐらいだが、40歳以下で発症する例も約1割程ある。
最初は、物をつかみにくい、転びやすい、ろれつが回らないなどの症状から始まり、進行すると呼吸筋の機能不全による呼吸困難が起こる。原因は不明で、治療法もまだ確立されていないが、嚥下障害や栄養障害に対しては経管栄養を行い、呼吸困難に対しては人工呼吸器を装着することにより、余命を大きく延ばすことが可能になっている。かつては呼吸筋まひまでが余命とされ、その期間は発症からおよそ3年とされていたが、現在日本には呼吸器を装着してから20年以上、在宅で生活している患者も多数みられる。
ALSは、自分で身体を動かせなくなっていく一方で、眼球を動かす筋肉と、尿道や肛門を引き締める括約筋は比較的最後まで保たれることが多い。また、痛みや寒暖、音やにおいなどの感覚や、思考、感情などは病前と変わらず保たれる。したがって、個別の症状に応じた適切なコミュニケーション法を実施することで、周囲の人と意思疎通ができる。文字盤や口文字盤、可動筋肉を活用してコンピューターに入力する方法などが広く利用されている。
治療に当たる専門科は神経内科だが、初期の症状で診断を確定するのは難しく、多くは同じような症状の現れる様々な病気をMRIや筋電図などの検査によって除外した上での診断となる。
メジャーリーグの名選手、ルー・ゲーリックがこの病気だったことからアメリカではルー・ゲーリック病ともいわれている。また、近年は、運動神経(運動ニューロン)が障害される病気の一つと捉え、ALS/MND(motor neuron disease)と呼ばれることが国際的に多くなってきている。

(石川れい子  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「ALS」の解説

ALS

脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動神経細胞が侵される病気で、筋肉の萎縮や筋力低下をきたす。原因不明、進行性で、国により認定された指定難病。英語名はamyotrophic lateral sclerosis、日本語名は筋萎縮性側索硬化症。2011年現在、1年間で新たにこの病気を発症する人は人口10万人当たり約1人、日本全国で約8500人が患っている。知覚神経や自律神経は侵されないため、五感、記憶、知性、内蔵機能などには原則として障害はみられない。症状の進行は速いことが多く、全身のすべての筋肉が次第に機能しなくなっていき、日本では半数ほどが発症後3~5年で死亡している。リハビリや呼吸補助、進行を遅らせる作用のあるリルゾール薬などによる対症療法があり、人工呼吸器を使わなくとも10年以上生存する場合もある。

(2014-1-10)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ALS」の意味・わかりやすい解説

ALS
えーえるえす

筋萎縮性側索硬化症

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内科学 第10版 「ALS」の解説

ALS

amyotrophic lateral sclerosis,筋萎縮性側索硬化症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ALS」の意味・わかりやすい解説

ALS
エーエルエス

筋萎縮性側索硬化症」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のALSの言及

【運動ニューロン疾患】より

…この中には種々の異なった疾患が含まれるが,そのうち頻度の高いものは筋萎縮性側索硬化症と脊髄性進行性筋萎縮症である。
[筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosis(ALS)]
 難病の一つ。上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの双方をおかす原因不明の進行性の病気であり,手足の筋肉の萎縮と筋力の低下のために日常動作の障害が生じ,また顔面筋や舌,口蓋,咽頭,喉頭などの筋肉もおかされるため,発声,発語,咀嚼(そしやく),嚥下なども困難となる。…

※「ALS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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