知恵蔵 「EPUB3」の解説
EPUB 3
EPUB 3は基本的に、HTML5やCSS3といった、ウェブ作成のために作られたフォーマットに準拠している。また、表示側が対応していれば、Javascriptも動作する。このためウェブとは親和性が高く、画像データなどの扱いにも強いのが特徴。仕様は公開されており、XHTMLやCSSなどのファイルをZIP形式で圧縮し、epubという拡張子がつけられている。
09年、Google Booksが公開した、100万を超えるタイトルがEPUBで作られたことから、EPUBは大きな注目を集めた。普及促進元のIDPFにはAmazon、ソニー、Adobeなどとともに、09年頃からApple、マイクロソフト、Google、凸版印刷、大日本印刷などの加盟が相次いだ。その後、Apple社が09年に開設したiBookStoreでもEPUBフォーマットが採用され、Adobe、ソニーなどの各社も次々と採用を決めたことから、日本以外では電子書籍フォーマットの標準的な地位を占める現在に至る。
EPUB 3では従来のEPUBでは表現できなかった、縦書き、ルビなどの機能が組み込まれ、日本での電子書籍フォーマットとして標準的な地位を確立すると期待されている。ただし、EPUB 3ではデジタル著作権管理(DRM)への対応が未熟なため、次世代EPUBへの残された課題と言える。
(佐橋慶信 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報