国防費(読み)こくぼうひ(英語表記)defense expenditure

精選版 日本国語大辞典 「国防費」の意味・読み・例文・類語

こくぼう‐ひコクバウ‥【国防費】

  1. 〘 名詞 〙 国防のため支出する国家経費。軍備費。
    1. [初出の実例]「国防費が前年度より百十八億ルーブル(一兆六百二十億円)、増加したことを明らかにしたし」(出典:ふだん着のソ連(1955)〈渡辺善一郎〉一にも二にも軍事力)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国防費」の意味・わかりやすい解説

国防費
こくぼうひ
defense expenditure

狭義には陸海空軍の経費として予算に計上されるものをいい,広義には対外軍事援助から軍事的に役立つ道路,鉄道,港湾の建設,科学的研究開発など国防に寄与する経費をいう。第2次世界大戦までは軍事費と呼ばれたが,戦後は国防費あるいは防衛関係費と称することが多い。財政支出を投資と消費に大別すれば,国防費は消費と考えられ,経済的には拡大再生産につながらないので,一般に非生産的とされるが,J.ケインズ不況期には国防費が有効需要をもたらす効果も強調している。予算面で国防費は計上されたもの以外その推定はむずかしい。旧ソ連では兵器の各部分の開発や製作が関係各省に組込まれていた。一般に国防費の規模は推定できても,予算面だけで一国の財政全体中に占める国防費の割合を判断することはむずかしい。イギリス国際戦略研究所 (『ミリタリー・バランス』) の推定によると,1990年における国防費の規模はアメリカ,ソ連,サウジアラビア,イギリス,フランス,ドイツの順になっており,日本は7位を占める。日本の国防費が GNPに占める比率は 1.0%,欧米諸国では2~6%。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「国防費」の意味・わかりやすい解説

国防費 (こくぼうひ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の国防費の言及

【軍事費】より

…通常は平時における軍の維持費を意味し,戦時においては戦費となる。国防費ともいい,日本では予算上は防衛関係費という。狭義には陸海空軍の人員,装備の維持・拡張などのための経費を指す。…

※「国防費」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android