KindleFire(読み)きんどる ふぁいあ(英語表記)Kindle Fire

知恵蔵 「KindleFire」の解説

Kindle Fire

米Amazon社の発売しているAndroidタブレット。11年9月に発売された「Kindle Fire」を改良した新製品と、上位機種の「Kindle Fire HD」が、12年9月14日に米国で、12年12月18日に日本国内で発売された。同社が開発した電子ブックリーダー端末「Kindle」製品と同様に、ブックリーダーとしての利用が可能な他、ステレオスピーカー、オーディオ機能内蔵による音楽再生、Wi-Fi接続によるウェブブラウジングなど、他社タブレットと同等の機能を搭載している。CPU(中央演算処理装置)は、テキサス・インスツルメンツ社のデュアルコアプロセッサー「OMAP」。従来のKindleは、電子ペーパー技術によるモノクロディスプレーであるのに対し、Kindle Fireは、7インチ、解像度1024×600のマルチタッチカラーディスプレーを採用している。重量は400グラム、記憶容量は8ギガバイトで、バッテリー駆動時間は約9時間。なお、上位機種の「Kindle Fire HD」は、解像度1280×800のハイビジョンで、記憶容量は16~32ギガバイト。 
Kindle Fireは、「Amazon Silk」と呼ばれるブラウザーを搭載しており、Amazon社が提供するクラウド・コンピューティング環境「Elastic Compute Cloud (EC2)」と連係することで、高速ブラウジングを実現している。FacebookTwitterといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や、GmailHotmail、Yahoo!等のメールシステムも利用可能。
日本においては、電子書籍は12年10月25日に国内オープンした「Kindleストア」から、音楽は「Amazon MP3」ストアから購入でき、一度購入したコンテンツは、Kindle Fire以外の端末でも利用できる。書籍はiPhoneAndroidに対応したKindle無料アプリを、音楽はiOSWindows、Android対応のCould Playerを利用することで、iPhoneやiPad、他のAndroidスマートフォンやタブレットなどで利用可能。
12年11月に発売されたApple社のタブレット「iPad mini」は、一番安い16ギガバイトモデルでも2万8800円だが、Kindle Fireの価格は1万2800円、HDが1万5800円と圧倒的に安い。
ちなみに、米Wall Steet Journalのブログ「AllThingsD」によると、米国では、iPad miniの発表翌日にKindle Fire HDの売り上げが大幅に増加したが、これは、iPad miniの価格が予想以上に高かったため、Kindle Fireの購入に踏み切ったユーザーが多かったからだと見られている。

(横田一輝  ICTディレクター / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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