20世紀西洋人名事典 「M.カレツキ」の解説
M. カレツキ
Michal Kalecki
1899.6.22 - 1970.4.17
ポーランドの経済学者。
ウージ(ポーランド)生まれ。
グタニスクの工業大学で学ぶ。1929年から6年間ワルシャワの景気・価格研究所で国民所得論を研究。’33年「景気循環への一試論」を発表し、資本主義経済循環のための数理経済モデルを作成し、それを「カレツキ・モデル」と名付ける。’35年マルクスの再生産論を根底にしながら「景気循環の巨視的動態論」を発表。これはケインズ革命に通ずるところはあるが、ケインズ体系より一般的で現代資本主義分析に適している。’36年からスウェーデン、、イギリス、カナダと各地で研究生活を送る。’46年から’54年まで国連事務局経済部次長を務め、’55年ポーランドへ帰国し、政府顧問、計画委員会顧問、コメコン代表などを歴任し、長期経済計画に取り組む。’61年からワルシャワの中央計画・統計大学で教鞭を執る。’66年アカデミー会員。’68年修正主義攻撃の名を借りた同僚の追放に抗議して全ての公職から引退。主著に「経済変動の理論」(’54年)等がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報