Python(読み)ぱいそん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「Python」の意味・わかりやすい解説

Python
ぱいそん

プログラミング言語の一つ。1991年に、ウェブアプリケーションやデスクトップアプリケーションを簡単に記述できる高水準スクリプティング言語として設計された。動的な型付けをもち、メモリー管理はガーベージコレクション(不要となったメモリー領域を自動的に回収し、ほかのプログラムが利用できるようにする機能)によって自動的に行われる。オブジェクト指向概念も取り入れているが、情報隠蔽(いんぺい)が十分でないため企業の基幹システムにはあまり用いられない。Python機械学習コミュニティに広く受け入れられるようになった理由は、そのライブラリーの一つであるnumpy(ナンパイ)の存在である。numpyは多次元配列を効率的に扱うことができる。また、配列どうしの演算などを、要素に対するループを書くことなく表現できるブロードキャストの機能があり、統計的機械学習で多く用いられる行列計算が、きわめて効率よく実行できるようになった。その後、Python+numpy上に機械学習用のライブラリーscikit-learnがつくられ、このなか最新の機械学習アルゴリズムが次々に実装されていくことによって、機械学習における標準的なプログラミング言語の地位を不動のものとした。現在では、ディープラーニング深層学習)のフレームワークを含む多くの機械学習ライブラリーがPythonの上で実装されている。

丸山 宏 2019年4月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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