Se式血液型（読み）えすいーしきけつえきがた

日本大百科全書(ニッポニカ)

Se式血液型
えすいーしきけつえきがた

1932年シッフFritz Schiffおよび佐々木計によって発見された血液型で、かつてはS式血液型とよんだ。ABO式血液型を表現する血液型物質が、唾液(だえき)、精液、胃液などの分泌液中に多量に分泌されているか否かによって、分泌型（Se）、非分泌型（se）の2群に分類する。Se型の分泌液からはそのヒトのABO式血液型が判明するが、se型ではほとんど、ないしはまったく分泌されていないため、一般に不明となる。日本人では約70～80％がSe型、残りがse型である。法医学分野（犯罪捜査、親子鑑定など）に利用されている。

［小谷淳一］

[参照項目] | 血液型

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

Se式血液型
エスイーしきけつえきがた
secretor system

ヒトの血液型 (検査法) の一つ。 Sec式血液型，S式血液型，分泌型ともいう。臨床検査としては主として，ABO型と Rh型が用いられるが，ABO式の血液型物質は血液だけでなく体内の組織や分泌物の中にも広く分布している。このA，B，Oの各型物質が唾液，精液などに分泌されている人と，分泌されていない人があり，前者を分泌型 (Se型，secretor) ，後者を非分泌型 (se型，non-secretor) という。日本人では約4分の3が Se型である。分泌型か非分泌型かを決定するには，あらかじめ ABO式血液型を決めておいてから，分泌物について調べるが，Se型では唾液や精液から容易に ABO式血液型がわかるので，犯罪捜査上の利用価値が高い。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典