日本大百科全書(ニッポニカ) 「S-P時間」の意味・わかりやすい解説
S-P時間
えすぴーじかん
震源で破壊が発生するとP波(縦波)とS波(横波)は同時に放射されるが、その伝播(でんぱ)速度の違いにより、震源から離れた観測点には最初にP波が、次にS波が到着する。両者の到達時間の差をS―P時間という。地殻やマントル内では、P波の速さはS波の速さの約1.7倍と考えられている。震源からの距離が長くなるにつれてS―P時間は長くなる。自然地震により生じた地震波の場合、震源からみたある特殊な方向を除き、S波の振幅は一般にP波の振幅より大きい。したがってP波の到着後S―P時間内は微振動が続き、S波の到着とともに大振幅となる。このためS―P時間内の振動を初期微動、S―P時間のことを初期微動継続時間ということもある。
[山下輝夫]
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