初期微動(読み)ショキビドウ(その他表記)preliminary tremors

精選版 日本国語大辞典 「初期微動」の意味・読み・例文・類語

しょき‐びどう【初期微動】

  1. 〘 名詞 〙 地震の際、最初に到達する比較的小さな振動。S波(横波)が到達するまでのP波(縦波)のみの振動で、この時間をP‐S時間(S‐P時間とも)といい、震源地までの距離にほぼ比例するため震源の決定に利用される。初動
    1. [初出の実例]「初期微動とは地震の初めに現はれる小なる振動のことで」(出典:地震学講話(1907)〈大森房吉〉六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「初期微動」の意味・わかりやすい解説

初期微動
しょきびどう
preliminary tremors

地震発生時,地震波のうち早く伝わる P波(第1波,縦ゆれ)が観測点に到達後,S波(第2波,横ゆれ)が同じ観測点に到達するまでの間の小さなゆれ。その間の時間を初期微動継続時間,PS時間,あるいは S-P(エスマイナスピー)時間という。震源からの距離が遠くなるほど初期微動継続時間(t )がかかるため,震源距離(d )を簡単に算出するのに利用される。1899年,地震学者の大森房吉が P波の速さ Vpkm(秒速),S波の速さ Vskm(秒速)とした場合の公式を示し,1918年には係数 k=7.42を置けば距離(km)が求められると発表した。しかし実際には,地震波の経路である地球内部の状態によって速度は変わるため,数値はおおよその見積もりとなる。なお,S波到達後の大きなゆれを主要動という。

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最新 地学事典 「初期微動」の解説

しょきびどう
初期微動

preliminary tremor

震源から出る2種の弾性波のうち,P波はS波よりもその伝搬速度が約1.7倍大きいから,震源距離が遠くなるほど,この両者到達時刻に差ができる。この時間差をP~S時間,S-P,または初期微動継続時間(duration of preliminary tremor)という。実際には,このS-P時間の間に,波の伝搬経路の途中でいろいろの原因で生ずる反射波がたくさん入ってくるので,波形は微動の連続になる。これが初期微動という名の根拠である。この初期微動は当然震源距離とともに長く続くようになる。また,余震や群発地震の場合のように,1点で地震記象がたくさん短時間に記録できる場合には,このS-P時間の頻度分布が第一次近似として震源距離の頻度分布を示すことになるから,震源分布の概要を短時間に知ることができ,広く利用される。参考文献:浅田敏ほか(1954) 地震,Ⅱ,7巻:37

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百科事典マイペディア 「初期微動」の意味・わかりやすい解説

初期微動【しょきびどう】

地震波のうち最初P波が到達し次にS波が到達するまでの地震動。この時間を初期微動継続時間といい,P波とS波の伝搬速度の差に関係した時間なので,震源距離の決定に利用される。初期微動が長いほど震源は遠い。

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世界大百科事典(旧版)内の初期微動の言及

【地震波】より

…これに対し,表面波は,地球表面に沿って二次元的に伝わる。P波が到着してからS波が到着するまでの振動を初期微動と呼ぶ。電光を見てから雷鳴を聞くまでの時間が短いほど雷までの距離が近いのと同様に,初期微動継続時間が短いほど震源は近い。…

※「初期微動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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