日本大百科全書(ニッポニカ) 「VVVF制御」の意味・わかりやすい解説
VVVF制御
ぶいぶいぶいえふせいぎょ
VVVF control
インバーターの制御方法の一つで可変周波数可変電圧(variable voltage variable frequency)制御のこと。V/f(ブイバイエフ)一定制御ともよばれる(Vは電圧voltage、fは周波数frequency)。交流電動機を可変周波数で運転するとき、電動機の端子電圧が周波数と比例するように制御する。交流電動機をこのように制御すると、周波数が変化しても内部の磁束密度が一定になる。周波数を変更してもトルク(回転力)、効率などの特性が同一になる。
VVVF制御は電圧と周波数を比例させるので、最高周波数のとき最大出力電圧となる。このとき、この周波数を基底周波数とよぶ。基底周波数以下では電動機の発生する最大トルクが同一なので定トルク領域という。基底周波数以上の高い周波数で高速回転させる場合、出力電圧を一定にして周波数のみ増加させる。このようにすると回転数の増加に反比例して電動機の発生トルクが低下する。そのため周波数を変更しても出力(トルク×回転数)は一定となる。そこでこの領域を定出力領域とよぶ。
VVVF制御は電動機の回転数フィードバックなどが不要で、オープンループ(開ループ)で制御可能である。そのため、ファン、ポンプなど回転数を精密に制御する必要がないような用途で省エネルギーを目的として多く使われている。
[森本雅之]