WindowsRT(読み)うぃんどうずあーるてぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「WindowsRT」の意味・わかりやすい解説

Windows RT
うぃんどうずあーるてぃー

マイクロソフト社が提供するARM版オペレーティングシステムOS)。薄型で軽いパソコン用とされ、モバイル用パソコンやタッチパネルを搭載したタブレット型端末などで使われる。ARMとは、イギリスのARM社が開発したCPUアーキテクチャで製造された製品で、消費電力が少ないという特徴があるため、PDAや携帯電話、ゲーム機などのさまざまなモバイル機器で使われている。なおWindows RTのRTは、プログラムの実行を意味するRunTimeの略である。

 多くの機能Windows 8(エイト)と共有しているが、従来のWindowsパソコンが採用してきたインテルCPUアーキテクチャ向けのアプリケーションとは互換性がなく、動作しないなどの制限がある。そのため、標準で付属するマイクロソフトオフィスMicrosoft Office 2013RT(ワードWord、パワーポイントPowerPoint、エクセルExcel、ワンノートOneNoteで構成)以外で動作可能なアプリはWindowsストアからダウンロードする。パソコンやタブレット端末にプレインストールされての提供のみで、OS単体での販売はない。2012年10月(日本では2013年3月)にマイクロソフト社からWindows RT8を搭載した端末、Surface RTが発売され、2013年10月に性能や機能を向上させたWindows RT8.1搭載のSurface 2が登場した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「WindowsRT」の解説

Windows RT

マイクロソフト社のWindows系OS。低消費電力が売りのCPU「ARM」で動作する。2012年10月末に、Windows7の後継となるパソコン用OS「Windows8」と同時に、WindowsRTを搭載した端末「Surface」が米国で発売された。WindowsRTは、Apple社のiOSを搭載した「iPad」や、Google社のAndroidOSを搭載したタブレットなどに対抗する製品で、Windows8のように、単体で販売されることはなく、Surfaceを始めとする、ARMプロセッサのタブレット端末などに、出荷時から搭載した上で販売される。国内では12年11月末にNECからWindowsRT搭載端末が発売された。ちなみにRTは、実行専用プログラムを意味する「RunTime」の略。
WindowsRTは、マルチタッチ対応でかつ、マウスやキーボードの利用も可能なため、操作性や見た目は、Windows8とほぼ同じである。しかし、Windows8を始め、それ以前のWindowsOSとは互換性はなく、Windows用のアプリケーションは動作しない。またWindowsRT搭載端末にWindows8をインストールすることはできない。そのため、これらの点で、Windows8搭載端末と比べ、機能的には劣るものの、Windows8搭載の端末より安い価格設定となっている。
WindowsRTで利用するアプリケーションは、マイクロソフトが運営する「Windowsストア」からダウンロードする必要があるが、同OSを搭載した端末には、「Office 2013 RT Preview」が標準添付されているため、Word、Excel、PowerPointについては、別途購入することなく利用できる。ただし、同Office製品は、マクロ機能やアドインなどはサポートしていないため、パソコン版のOffice製品と全く同じことができるわけではない。
したがって、「パソコンよりタブレットがほしいが、一般的な編集作業ができる程度のOfficeソフトは必須だ」といったWindowsユーザーであれば、WindowsRT搭載機は、魅力な製品と感じるかもしれない。

(横田一輝  ICTディレクター / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

IT用語がわかる辞典 「WindowsRT」の解説

ウィンドウズアールティー【Windows RT】

Windows 8(エイト)の一種で、タブレット端末用のもの。2012年発売のマイクロソフト製タブレット端末「Surface」に搭載された。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

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