ノミの市(読み)のみのいち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノミの市」の意味・わかりやすい解説

ノミの市
のみのいち

語の由来は、フランス語marché aux puces(蚤(のみ)の市)の直訳。代表的なものは、フランスのパリ北隅、地下鉄4号線のクリニャンクール門から北へサン・トゥアン門までの路上で、毎週土・日・月曜日に開かれる中古品の露店市。古ナイフ、古時計、古地図、昔の軍服から貴金属まで、数フランから数万フランまでのあらゆる品が並ぶ。盗品も多いといわれるが、掘り出し物もあるパリ名物の一つである。またアリグル広場のノミの市は毎朝9時から12時まで開かれる。わが国でも東京・世田谷一丁目に立つボロ市は、江戸時代以来の歴史をもち、毎年1月と12月の15、16日に開かれ、あらゆる品が並んで雑踏する。しかし、現在では中古品は少なく、ほとんどが新品を並べた安売り市になっている。

田原 久]

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