惑星形成過程の初期に現れる円盤構造。恒星は星間雲のなかにある十分密度が濃い分子雲コアが自己重力により収縮して生成されるが、その収縮の際に、大きな角運動量をもつガスと塵(ちり)は、収縮する中心(原始恒星)へたどり着けずに原始恒星の周りに円盤(直径2000天文単位程度)を形成する。これが原始惑星系円盤であり、1000万年程度をかけて、この円盤内で塵が集積して、微惑星、そして惑星へ成長すると考えられている。これらの原始惑星系円盤は、形成過程初期の星である「おうし座Tタウリ型星」の周りで発見されつつある(がか座β(ベータ)星やオリオン星雲、おうし座HL星など)。
[編集部 2023年10月18日]
protoplanetary disk
原始星の周囲に存在する冷たい回転円盤。水素を中心とするガス成分と,シリケイトや氷などの塵成分(固体成分)から成る。この中で塵成分が集積することにより,惑星が形成される。原始太陽の周囲に存在した円盤を,特に原始太陽系星雲と呼ぶことがある。観測から,原始惑星系円盤は1,000万年程度の間存在していると考えられている。質量推定の不確定性は大きいものの,塵成分の質量が,地球質量程度以下から地球質量の100倍以上のものまでさまざまなものがあると考えられている。近年の観測から,惑星は原始惑星系円盤の前段階で誕生する可能性も検討されている。また,リング状の構造や渦巻状の構造など,多様な構造をもつことが観測的に知られている。原始惑星系円盤は,中心星に近いほど温度が高いので,中心星から一定の距離より内側では水が気体として存在し,外側では水が固体(氷)として存在する。この境界は雪線と呼ばれ,形成される惑星の組成を考えるうえで重要である。
執筆者:武藤 恭之
参照項目:原始太陽系星雲
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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