ある因子(物質,刺激,温度,食物など)の作用を調べてみる実験の際,研究しようとする因子以外はすべてこの実験と同じ条件にした実験を並行して行い,両実験の結果を比較することが必要である。この後者の実験を対照実験という。対照実験を行わないと,実験で得られた結果がほんとうにその因子の作用によるものかどうか確信が得られない。とくに生物についての実験の場合には,研究対象が複雑であるため,生物の遺伝的系統,育てた条件,実験時の条件などすべてのことについて厳密に同じ条件にした対照実験がなければ,実験はほとんど無意味に等しい。実験を行ったほうを実験群ないし実験区,対照実験を行ったほうを対照群または対照区という。実験動物,対照動物などという呼び方もあり,またやや専門的には対照群のことを単に対照またはコントロールということもある。
執筆者:日高 敏隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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